ペアローンと連帯債務と連帯保証。 夫婦で組む住宅ローンはどれがいい?
2023.05.08
「自分は年収が低いから住宅購入はまだ早い…」と考えの方も多くいらっしゃいますが、住宅ローンの借入金額は、夫婦共働きの場合だと収入を合わせて申し込むことができます。収入に自信がない方も夫婦で収入合算をすればマイホーム購入も夢ではありません。
夫婦で住宅ローンを契約する方法として「ペアローン」「連帯債務型」「連帯保証型」といった3つの組み方があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
目次
ペアローンとは
ペアローンとは、夫婦それぞれで別の住宅ローンを借りる方法となります。
例えば、3,500万円の物件であった場合、夫が2,000万円、妻が1,500万円といったように、それぞれの借入額を合計して購入資金の金額を借り入れします。
どちらか単独だけでの組む時の違いとして、1つの物件に対し夫婦それぞれに2つのローン契約を締結することになります。
夫婦それぞれの借り入れ(今回の場合は夫が2,000万円、妻が1,500万円)に対してローン審査が行われるため、単独での収入による審査よりも借入額を増やすことができます。
ただし条件としては
・夫婦それぞれに安定した収入があること
・夫婦が同居予定
・夫婦ともに団体信用生命保険の加入が必要
といった条件もあるので自分たちがあてはまるかどうか確認しておく必要があります。(金融機関により異なる場合もあり)
ペアローンのメリット
ペアローンには次のようなメリットがあります。
・夫婦それぞれの借り入れ金額に対して審査する為、単独の場合よりも借入額を増やすことができる
・夫婦それぞれに住宅ローン減税の控除枠を使用でき、節税効果を高めることができる。
・団体信用生命保険にそれぞれ加入した後、保険の適用となった場合は適用となった側の住宅ローンの返済義務がなくなる。
ペアローンのデメリット
一方でペアローンにはデメリットもあります。
・夫婦それぞれのローン契約となるため、印紙代や事務手数料の費用が2倍になる。
・どちらかの収入が減った場合や退職してしまった時も支払額は変わらない。
・退職した場合、所得税がかからなくなり、住宅ローン減税を受けることができなくなる。
このようにデメリットもあるので気をつけましょう。
連帯債務型とは
住宅ローンの連帯債務型とは、ペアローンの時とは違い、住宅ローン契約は1つとなります。夫婦2人の収入を合算してローンを借りることで、片方が「主債務者」、もう片方が「連帯債務者」となります。ローン契約者の他に連帯債務者をたて、2人連名で住宅ローンの契約を締結します。
住宅ローンの借入額は収入の多寡によって決まるので、共働きの場合は2人の収入を合算させることで借入額を増やすことができます。
イメージとしては夫婦で1つの住宅ローンを一緒に返済するものと覚えてください。
連帯債務者も契約者と同等の債務を負いますので夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けることができます。
通常、一般の金融機関だと連帯債務者は団体信用生命保険に加入することができません。そのため、連帯債務者がローン返済途中で亡くなったりした場合でも、単独で全額を返済する必要があります。(主債務者が亡くなったりした場合、ローン残高は0円になります)
連帯債務型のメリット
連載債務型には次のメリットがあります。
・収入合算することができるので借入額を増やすことができる。
・住宅ローン契約が1本のため、ペアローンと異なり諸費用の負担を減らすことができる。
・夫婦それぞれに住宅ローン控除の適用ができるため節税効果も期待できる。
一方で、次のようなデメリットもあります。
連帯債務型のデメリット
・取り扱っている金融機関が限られている為、希望の金融機関が選べない場合がある。
・一般の金融機関だと連帯債務者は団体信用生命保険に加入できない。
・離婚した場合なども返済義務は解消されない。
連帯保証型とは
連帯債務型や単独名義でのローンと同じく住宅ローンの契約は1本となります。単独ローンと同じく契約者(債務者)が毎月の返済を行っていきます。
夫が契約者(債務者)で妻が連帯保証人となっている場合、夫が返済不能となれば妻が返済義務を負う形となります。
連帯保証人はあくまで契約者(債務者)の保証人の立場となりますので、住宅ローン減税の対象とはならず、団体信用生命保険の加入もできません。
連帯保証型のメリット
・金融機関によっては連帯保証人の返済能力が考慮され、借入額を増やせる場合がある。
・1本の契約なのでペアローンと違い、事務手数料や印紙代等の費用は単独ローンと変わらない。
連帯保証型のデメリット
・連帯保証人は住宅ローン控除が適用されない。
・連帯保証人は団体信用生命保険に加入できない場合が多いので、連帯保証人に万が一のことがあっても何も保証されない。
夫婦で住宅ローンを組む場合のポイント・注意点
いずれの方法にもメリットとデメリットがありますが、住宅ローンを夫婦で組む場合のポイントと注意点を以下にまとめました。
負担額(収入額)と持ち分の割合に注意
夫婦共同して住宅ローンを組んだ場合は所有した物件も夫婦共同のものとなります。その場合、住宅ローンの負担割合(収入の割合)と所有権の持ち分割合の比率を揃える必要があります。※住宅ローンの負担割合は夫婦の収入割合で組むのが一般的です。
分かりやすい例でいうと、3,000万円の借入額に対し夫が2,000万円、妻が1,000万円のローンを組んだ場合、所有権の持ち分割合は夫が3分の2、妻が3分の1となります。
ローンの負担割合と所有権の持ち分割合が大きく違うと贈与税の対象とみなされることがありますので注意が必要です。
まとめ
説明してきました「ペアローン」「連帯債務型」「連帯保証型」それぞれに向いている人をまとめると以下のようになります。
ペアローンに向いている人
・夫婦ともにローン完済まで働き続けることを考えている人
・産休や育児休暇を取得しても職場復帰する予定の人
・健康状態に問題なく夫婦ともに団体信用生命保険に加入できる人
連帯保証型に向いている人
・諸費用の負担を増やさずに収入合算し、借入額を増やしたい人
・数年後に夫婦どちらかが仕事を辞める可能性がある人
・住宅ローン控除の適用を夫婦それぞれ受けたい人
連帯保証型に向いている人
・夫(もしくは妻)どちらかの単独名義にしておきたい(しなければならない)場合
・収入合算し、借入可能額を増やしたい人
どのパターンが適しているかは各家庭の状況や考え方により異なってきますので、一概にこれが最適とはお伝えすることは難しいですが、
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