太陽光発電を0円で設置できる屋根貸しサービス「PPAモデル」とは? メリット・デメリットをそれぞれ解説!
2023.05.01
新築を建てる際やリフォームを考えるときに、太陽光発電の導入を検討する方もいらっしゃると思います。
最近、「0円で太陽光発電を設置することができる!」という宣伝を耳にしたことはありませんか?「本当だったら興味あるけど、0円なんて怪しい…」と思われる方もいるかもしれませんが、実はこれ、太陽光を所有するのではなく「屋根を貸す」ことで太陽光発電を設置し、PPAという契約モデルを分かりやすく表現したものになります。
なので、決して怪しいサービスではないのでご安心ください!
PPAは諸外国(特に欧米)では約10年前から導入されている契約モデルで、日本でもここ最近聞くようになってきました。今回は、最近話題の0円で太陽光発電を導入できるサービス【PPAモデル】に関し、メリット・デメリットを解説していきます。
太陽光発電の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
PPAモデルってなに?
PPA(ピーピーエー)とは、「Power Purchase Agreement(電力購入契約)」の略称です。通常、太陽光発電を設置する場合は、利用者自身が太陽光発電設備を購入して、屋根の上や土地などに設置します。
太陽光発電を導入することで、住宅にかかるランニングコスト(電気代)が低くなるというメリットがある一方、導入するときのイニシャルコストが高い点がネックとなります。住宅用規模の太陽光発電でも数百万円の初期費用が必要となり、このコストが太陽光発電設備の普及を妨げる要因ともなっております。
そこで、太陽光発電の事業者が利用者(お客様)の設置費用を負担することで、利用者に太陽光発電を使用してもらうシステムが誕生しました。
これが「PPAモデル」です。
PPAモデルの仕組み
事業者:お客様のご自宅などの屋根を借り、太陽光発電システムを無償で設置。
お客様:発電した電気をご自宅で使い、電力使用料をPPA事業者へ毎月お支払い。
PPA事業者は【電力使用料+発電し、余った電気の売電料】で無償設置したシステムの費用を回収する、という仕組みとなり、一方でお客様側は多額の初期コストを支払わずに太陽光発電システムを設置でき、再生可能エネルギー由来の電気を使用できる仕組みとなります。
PPAモデルのメリット
1:導入コストが0円
先ほども述べた通り、住宅の屋根に太陽光パネルを設置した場合、初期コストに数百万円の費用が必要になります。これを全て自己資金で賄うことが出来ればよいのですが、一般的にはローンを組んで設置するケースがほとんどだと思います。
結果、売電収入は得られるものの、ローンの返済額が増え、結果として収益が圧迫される場合もございます。
一方で、PPAモデルを導入すると太陽光パネル等の機器代金と工事費用が無料となります。
2:メンテナンス費用もかからない
太陽光発電システムはお客様の所有ではなくPPA事業者が所有し管理を行っていくためお客様へのメンテナンス費用負担はございません。
太陽光発電を運用していくと、定期的な機器のチェックや、故障した部品があれば交換が必要となります。
自分が太陽光発電を所有している場合はメンテナンス費用も支払っていく必要がありますが、屋根を貸す場合はPPA業者が費用を支払いますので、お客様側が負担する必要はありません。
初期費用の導入コストと合わせ、メンテナンス費用のランニングコストを支払う必要がないのも魅力的な点となります。
3:契約期間終了後は無償で譲渡される
0円で設置した太陽光発電設備ですが無償期間終了後は無償譲渡されます。一般住宅の屋根に設置した太陽光発電システムの契約期間は現在10年間~15年間が一般的です。譲渡後、発電した電気は「自家消費する」「売電する」等お客様自身で選んで使用することが可能です。
4:電気代の節約ができる
PPAモデルを導入すると発電した電気をPPA事業者より購入して電気を使用します。PPA事業者が、使用するお客様に対し格安の料金プランを設定しているケースが多い為、電気料金の削減につながります。
電気料金の削減ができれば生活コストを抑えられるメリットにつながります。
PPAモデルのデメリット
1:余剰売電の収入を得ることができない
屋根を貸して太陽光発電を設置した場合は、余剰電力を売電し収入にすることができません。契約期間中、太陽光発電設備の所有者はPPA事業者となるので、売電収入はお客様のものになりません。
PPA事業者は無償で太陽光発電を設置するかわりに、売電収入によってコスト回収を行っている為です。
ただし、契約期間終了後は太陽光発電システムが自分のものになるので売電収入を得る事ができます。
2:途中で解約すると違約金が発生する
契約期間中に太陽光発電設備を撤去した場合は違約金が発生します。
太陽光発電を無料で設置するPPAモデルは契約期間中の売電収入源を回収するシステムを前提としているため、お客様が途中で撤去、解約してしまうと大きな損を出してしまうからです。
そのため、PPAモデルを導入する前は、長期間解約できないことを考慮して、慎重に判断することが必要です。
3:無償譲渡後の買取単価が不透明
太陽光発電を設置すると、電力会社が「一定期間」「一定の単価」で電力会社が電力を買い取る義務があります。これを「再生エネルギーの固定価格買取制度」と言います。
住宅用太陽光発電の固定買取期間は10年間と法律により定められております。
つまり、無償譲渡後は固定買取期間も終了していることになり、売電先の電力会社は定められた単価で買い取る必要がなくなり、必然的に単価が下がってしまうのです。
譲渡後は売電収入が自分のものになりますが、固定買取期間ほどの売電収入にならないことを考慮しておくことが必要です。
4:無償譲渡後のメンテナンスは自己管理
無償譲渡=自己所有となりますので、メンテナンスは自身の管理で行う必要が出てきます。ただし、無償譲渡後も保証期間が残っている場合もございますので必ずチェックすることが大切です。
その他のデメリットとしては、自身の好きなメーカーの機器を選ぶことが出来ない、国や自治体の補助金が使用できないことが挙げられます。
まとめ
屋根貸しサービス「PPAモデル」の仕組みやメリット・デメリットを解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
PPAモデルは、再生エネルギー普及促進のための様々な取り組みのなかで、いま最も注目されている仕組みの一つです。
屋根を貸すことで導入コストがかからないので、予算が限られている人や気軽に導入したい人に向いている仕組みとも言えます。また、電気代が安くなる、期間中はメンテナンス費用が掛からないなどのコスト面でも多くの魅力があります。
しかし、契約期間中は売電収入が得られないことや、契約期間終了後は買取単価が下がる可能性があること等、デメリットも存在します。ですので、自己資金に余裕がある場合やリターンを大きくしたい人は自己負担で設置することをおすすめします。
どの方法がベストなのかはお客様の考え方や状況により異なります。
今後、太陽光発電システムを導入する際には、お客様のライフスタイルやご家族の電気使用状況にあわせ最適の方法をご提案させていただきますのでお気軽にお問合せください!